「ヘルパーとのトラブルなんてごめんだ!」
と思われることでしょう。
おっしゃる通りです。
しかしです。
ヘルパーに買い物代行を依頼し、残念ながらトラブルが発生したとしても、あきらめずにヘルパーに買い物代行を頼んでいただきたいと思っています。
この記事ではその方が良い理由についてご紹介したいと思います。
これまで1000回以上の買い物代行を行なってきました。
何度となくトラブルになったことがあります。
しかし、買い物代行で発生するトラブルの理由はほぼ決まっています。
何度も何度もトラブルになることはまずありません。
なので、トラブルを心配されることはないと思います。
一方、ヘルパーの訪問によって、大事な情報を得ることができます!
この記事では、トラブルになる理由や心配ご無用な理由、また、ヘルパーの買い物代行によってどのような情報がどんな形で得られるのかをご紹介したいと思います。
ちなみに、ヘルパーの買い物代行や、買い物代行に伴うトラブルに対処する方法ついては以下の記事をご参照いただければ幸いです。
高齢の親御様のことを心配される皆様のお役に立てればとの思いを込めて記事を進めたいと思います。
トラブルが発生したとしても、なぜヘルパーに買い物代行を頼んでいただきたいか?
その答えは・・・トラブルの解決は難しくなく、ヘルパーの訪問によって親御様ご自身の様子や生活についての情報が得られるからです。
ひとり暮らしをされている親御様のことを心配されるご家族は、何はさておき情報が欲しいのではないでしょうか?
体調に変わりはないか?
どんな食生活を送っているか?
お風呂はきちんと入っているか?
お金の管理は大丈夫か?
何か困っていることはないか?
などなど・・・
ヘルパーは週に1回か2回の訪問、一度の訪問は1時間ほどなので、あらゆることを知ることはできません。
それでも毎回親御様のご様子を観察し、会話し、失礼ながらお部屋の状態を見ています。
ヘルパーは定期的に訪問していますので、変化に気付くことができます。(研修などで変化に気付くことの大切さも学んでいます)
ヘルパーに買い物代行を頼むことによって、ヘルパーだからこそ知り得る様々な情報をご家族に得ていただくことができます。
このことがヘルパーに買い物代行を頼んだ方がよい一番大きな理由です。
ご利用者との会話の内容から、今、お困りのことが分かることもあります。
「確かにいろいろな情報が得られるのはいい。でも、トラブルは困る。ヘルパーは助けに来ているんだからトラブルがないようにしてもらいたい」
と思われるかもしれません。
至極ごもっともです。
ヘルパーの買い物代行でトラブルになる理由はほぼ決まっています。
この記事では、その一番大きな理由を取り上げたいと思います。
ヘルパーの買い物代行でありがちなトラブル『買えないものがある』
ヘルパーは介護保険の取り決めの中でサービスを提供していきます。
なので、介護保険で禁止されていることはできません。
買物代行についても、買い物の内容によっては買ってくることができない品物があります。
・お酒やたばこ
・お供え物
・ご利用者以外の方が使用するもの
(孫のためのおやつやお客様のためのおみやげなど)
・贈り物類
・雑誌類
などなど・・・
ご利用者の生活に不可欠な物以外は買ってくることができません。
また、「買い物ついでにATMでちょっとお金をおろしてきてほしい」
とのご希望があっても、お金に関することにも対応できません。
ご利用者にこうしたことをお伝えすると・・・
「ヘルパーは助けるために来ているんじゃないのか」
「ついでなのに」
「そんなこともできないなら来なくていい」
などなど・・・
お叱りをちょうだいし、トラブルになることがあります。
ヘルパーは介護保険のルールに従ってサービスを提供しなければなりませんので、買い物内容によってはご希望に添えないこともあり得ます。
この点については、何とかご理解をいただくしかありません。
しかし、食品類や洗剤類、トイレットペーパーなどの生活用品は買い物代行できますので、実際はほぼ生活に不自由はありません。
費用も介護保険が適応されますので、1回300円弱程で利用できます。
外を歩いて高齢者が買い物に行ったり、公共交通機関を利用して買い物に行ったり、ご家族が買い物のために親御様のところへ通う必要がなくなるので大変便利です。
こうした利点や、介護保険上のルールなどをサービス提供責任者や担当するヘルパーが丁寧にご説明申し上げると、ほとんどの場合ご理解くださいます。
そして、実際便利なので「本当に助かります」と言ってくださることが多いです。
ですので、ケアマネジャーさんと相談しながら積極的にヘルパーの買い物代行をご検討頂ければと思います。
次に、ヘルパーからどのような情報が得られるのかをご紹介します。
ヘルパーに買い物代行を頼むと良い理由『生活の様子が分かる』
ヘルパーは、ご利用者から頼まれた内容の買い物代行を行ないます。
訪問介護事業所のやり方によって若干異なりますが、お預かりした金額やお釣りなどを記録に記入し、レシートを訪問の記録に貼り付けます。(又はご利用者にお渡しする場合もあります)
ご家族が親御様のところに訪問された際に、ヘルパーの記録(大抵ファイルにとじてあります)をご覧いただけるとレシートを見つけていただくことができます。
レシートを見れば、どんなものを購入しているかわかります。
どんな物を購入しているかが分かれば、生活の様子も見えてきます。
生活上大変なことがあっても、ご利用者の中には辛抱強く我慢してしまう方も多くおられ、実際の様子が分かりにくいことが多々あります。
例1・・・お弁当やお惣菜の購入が多くなっている
考えられること
→ 調理が大変になっている(立ち続けるのが大変、考えるのが大変など)
→ 食欲がなくなってきている
例2・・・トイレットペーパーの購入が度重なっているケース
考えられること
→ お手洗いの頻度が多くなっている(体調に変化があるかもしれない)
→ 前回買った物を忘れてしまっている(認知機能に変化が表れている可能性あり)
このように、ヘルパーに買い物代行を頼むことによってお体の変化や気分の状態、困ったことなど様々な情報を得ることができます。
さらに、栄養状態、食事量、水分摂取の様子なども推察することができます。
家族は、ヘルパーからの情報をどのようにして知ることができるか?
「ケアマネジャーとはよく連絡を取るけど、ヘルパーさんには会ったことがない」
というご家族は多いです。
ご自身のご家族のことやお仕事など、いろいろお忙しくされておられることでしょう。
親御様のところを訪問された際、訪問介護事業所のサービス提供責任者(親御様へのヘルパーの責任者)が持参したファイルやノートを是非ご覧いただければと思います。
ヘルパーは訪問した際、必ず記録を残すことが定められています。
親御様のご様子や会話の内容、お悩みなど、その時々の情報がしたためられています。
ヘルパーが感じた心配事などが記載されていることもあります。
もちろん、至急対応が必要だと判断した情報はすぐにご家族に伝わるように連携が取られることになっています。
1. ヘルパー → サービス提供責任者 → ケアマネジャー → ご家族
又、サービス提供責任者の判断によっては
2. ヘルパー → サービス提供責任者 → ご家族
↘ ケアマネジャー
といった流れですぐに連絡が入ります。
サービス提供責任者の判断でまずはご家族に連絡し、その後ケアマネジャーに連絡するケースもあります。
その場合、後ほどケアマネジャーからご家族に連絡が入ると思います。
通常の場合、ヘルパーの記録をご覧いただくことによってご家族に情報を得ていただくことができます。
まとめ
買い物代行を利用されているご利用者とヘルパーの間のトラブルは、時には発生することがあります。
しかしその理由はほぼ決まっており、度々起こることではありません。
ヘルパーの買い物代行は大変便利な取り決めであり、きっとご利用者もその便利さをお認めになられると思います。
そして、ヘルパーの訪問によって、お一人で過ごしておられる高齢者の生活の様子などの情報は、実際にお伺いしているヘルパーから得られることが多いです。
小さな変化を記録していることも多々あります。
ぜひ、ヘルパーが記入する『訪問の記録』をご覧いただき、情報を得ていただければ幸いです。
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