【高齢の親はひとり暮らし】買い物代行をヘルパーに頼む、メリットデメリットまとめ

abundance agriculture bananas batch 買い物代行
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ご訪問くださり誠にありがとうございます。

この記事は、おひとり暮らしをされている高齢の親御様を持つご家族様に向けて書いています。

「今は大丈夫だけど、これからのひとり暮らしが心配」
「家族が買い物を代わりに行くのもなかなか大変」
「ヘルパーさんを頼んだ方がいいのかな」

といったお悩みがあるかもしれません。

ヘルパーさんに買い物代行をお願いしている方も多くいらっしゃいます。

しかし、ヘルパーさんに買物代行お願いしたために、かえって大変になってしまうケースもあります。

この記事では、以下の点についてまとめています。

・買い物代行をヘルパーさんに依頼するメリット
・買い物代行をヘルパーさんに依頼するデメリット
・買物代行を含めたヘルパーさんの訪問例

これまで、ヘルパーとして3千回以上の訪問を行ってきました。

様々なケースを体験してきましたので、その幾つかをご紹介し、ご参考にしていただければ幸いです。

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買い物代行をヘルパーさんに依頼するメリット

woman in yellow tshirt and beige jacket holding a fruit stand

要介護認定(要介護1~5)でも要支援認定(要支援1~2)でもヘルパーさんの買い物代行を利用できます。
(要支援認定の場合、介護の資格を持つ方ではなく、自治体が主催している簡易な研修を受けたサポーター的な方が来てくれることもあります)

週に1回、又は必要に応じて複数回訪問するケースがあります。

ヘルパーさんに買い物代行を依頼するメリット
1毎週決まった曜日に定期的に買い物に行ってもらえる
2ヘルパーさんと買い物の内容を相談できるので、無駄なく買い物ができる
3費用を安く抑えることができる
4親御様の安否確認もしてもらえる
5時間の許す範囲で会話ができる

このようなメリットがあります。

順番にご紹介させていただきます。

毎週決まった曜日に定期的に買い物に行ってもらえる

person in gray long sleeve shirt holding gray door knob

おひとり暮らしでしたら、それ程買い物の量は多くないかもしれません。

毎週1回ヘルパーさんに買物に行ってもらえば十分な方が多いです。

ご利用者の方にお願いしているのは、『メモ』に書いおいていただくことです。

このような感じです。

カレンダーの裏紙でもなんでもかまいません。

簡単なメモを書いておいていただけると時間短縮になり大変助かります。

ご利用者も、ご自分で買う物に気が付いた時にメモしていただければ忘れずに済みます。

ヘルパーさんと買い物の内容を相談できるので、無駄なく買い物ができる

crop psychologist taking notes during appointment

ご利用者の中には、ヘルパーさんとご一緒に冷蔵庫内を確認して買い物の内容を決めている方もおられます。

ヘルパーさんに品物を見てもらい「これは賞味期限が近いから早めに食べましょうね」などと、会話しながら買うものを決めていきます。

同じ食品が重なってしまうのを防ぐことができますし、ヘルパーさんと一緒にメニューを決めることもできるので、楽しいひと時になったりします。

ただし、少し時間がかかるので、お店が遠い場合は難しいかもしれません。

費用を安く抑えることができる

illustration of payment concept for percents currency and information

ご利用者の中には、毎回タクシーで買い物に行く方もいらしゃいます。

費用がかかってしまいます。

ヘルパーさんに買物代行してもらうなら、介護保険が適用されるので費用を安く抑えることができます。

大体、1回1時間の訪問で300円かからないぐらいです。(1割負担の場合です)

月に4回来てもらっても、1200円弱で済みます。

親御様の安否確認もしてもらえる

door handle key keyhole

僕が個人的に大きなメリットだと思うのはこの点です。

実際の経験談をご紹介いたします。

買物代行の訪問でこのようなことがありました。
80代後半のある女性ご利用者は長年おひとりで暮らしておられます。
毎週水曜日の朝9時~10時の訪問でした。
その日ベルを押しても、応答がありませんでした。
実は、昨晩脳梗塞を起こし、倒れてしまったのでした。
担当のサービス提供責任者に連絡すると、何かの時のために、お隣の方に鍵を預けているとのことでした。
お隣の方に事情を話し、鍵を開け一緒に室内に入りました。
ご本人は、目は開いており、こちらの声掛けにはわずかにうなずくことはできるものの、お体はピクリとも動けない状態でした。
訪問介護事業所の責任者に連絡した後、すぐに救急車を呼びました。
幸い、発見が早かったため(と医師に言われたそうです)大事には至らなかったとのことでした。
しかし、半身の麻痺は残り、言葉もはっきり話せなくなってしまいました。
 
『もしも、あの時に誰も訪問する人がいなかったら?』と考えると恐ろしいですし、大変危険です。

だれかが定期的に訪問し、実際に顔を見て『安否確認ができる』のは大切だと痛感させられた出来事でした。

ひとり暮らしが長くなると、「だんだん心配になる」タイプの方と「まだまだ私は大丈夫」タイプの方がおられます。

僕が訪問していた女性ご利用者は後者の方でした。

救急車を呼ぶケースはほとんどないものの、危険な「もしも」の時はいつ来るかわかりません。

ヘルパーさんが定期的に訪問してくれるのは助かります。

時間の許す範囲で会話ができる

pensive grandmother with granddaughter having interesting conversation while cooking together in light modern kitchen

こんなふうにおっしゃる方もいます。

「一日中だれとも話さないと頭が変になっちゃう」
「一人でいてだれとも話さないとボケちゃうよ」

その通りだと思います。

ヘルパーさんが定期的に訪問し、わずかな時間かもしれませんが会話を交わすと、気分転換になったり気持ちが楽になると言ってくださる方は多いです。

いい意味での刺激になります。

このように、ヘルパーさんに定期的に来てもらえるなら、買い物代行に加えて、他にも様々なメリットがあります。

しかし、デメリットと感じられることもあります。

買い物代行をヘルパーさんに依頼するデメリット

mother looks at her daughter s phone

デメリットの幾つかをご紹介いたします。

ヘルパーさんに買物代行を依頼するデメリット
1買う物がなくてもヘルパーさんはやって来る
2買い物内容に制限がある
3お金のやりとりがある
4野菜や果物などは自分の好みの物を選べない

順番にご紹介させていただきます。

関連記事
ちなみに、ヘルパーさんに買物代行を頼んでトラブルになったケースについて取り上げた記事はこちらです。
・【高齢の親はひとり暮らし】買い物代行をヘルパーに頼む。よくある4つのトラブルとその対処法

買う物がなくてもヘルパーさんはやって来る

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ヘルパーさんは決められた通り定期的に訪問します。

ご利用者のご都合によって(例えば通院など)不在になる場合は、あらかじめご連絡をいただくことになっています。(訪問介護事業所の取り決めによって異なりますが、キャンセル料が発生する場合があります)

ヘルパーさんが予定通りやって来ても「買う物がない」ということもあります。

その場合は、他のサービスを行なわせていただくことになります。

例えば、ご利用者が使用している部屋の掃除や調理、洗濯などの生活支援を行います。

しかし、何度となくこうしたことがあると、ヘルパーさんの訪問が「煩わしい」と感じる方もおられます。

買い物内容に制限がある

white and red stop sign

介護保険制度の中では、ヘルパーさんが行う買物代行の内容に制限があります。

買ってくることができない品物もあるのです。

厚労省の通達によると、以下のように『日常品等の買い物』しか認められていません。

 2-6 買い物・薬の受け取り

○日常品等の買い物(内容の確認、品物・釣り銭の確認を含む)

○薬の受け取り

引用元:厚労省 老計10号 家事援助

この「日常品等」の内容は結構厳しく、以下のような品物をヘルパーさんが買うことはできません。

ヘルパーさんが買い物代行で買ってくることができない品物の代表的な例
・お酒やタバコ
・お供え物関係の物品
・他の方への贈り物やおみやげ
・ペットに関連した物品
など

こうした品物は『日常品等』の中には入れられておらず、ヘルパーさんは買ってくることはできません。

「ついでなのに」とがっかりされる方がおられたり、中には厳しいクレームを付けられる方もおられます。

お金のやりとりがある

set of black opened envelope and cash dollars

お金のトラブルがないように、ヘルパーさんはお預かりした金額を必ず記録しておきます。

しかし、ご利用者の中には他人に財布の中を見られるのが嫌な方もおられます。

また、忘れっぽくなっていて、5千円札と1万円札をよく間違えてしまう方もおられます。

そうした心配があると、ヘルパーさんとのお金のやり取りは避けたいと思われるかもしれません。

野菜や果物などは自分の好みの物を選べない

person s index finger

ヘルパーさんは限られた時間で買い物を済ませなければなりません。

「小さめの物」「色が濃いもの」「なるべく安いもの」くらいなら対応できるかもしれませんが、時間をかけて吟味している余裕はありません。

ご利用者のお好みの色や硬さ、熟し具合などがあるかもしれませんが、それらに対応できないこともあります。

ヘルパーさんに買ってきてもらったものの、「あ~、こういうのじゃないのが良かったんだけど・・・」

と残念な買い物になってしまうこともあります。

買物代行ちょっと話
ある80代の女性ご利用者はセロリが大好きでした。
しかし、歯がお悪く緑色が濃い部分は噛めないとのことでした。
近所の八百屋の大将と相談し、セロリの中心部の白いところを分けてもらいました。
ご利用者のお見せすると、「あんたこれは中過ぎる、もうちょっと外側が良かったのに」と言われてしまいました。
お好みの野菜を買物代行するのは難しいです( ;∀;)

買物代行を含めたヘルパーさんの訪問例

fruit stand

要介護認定の場合、ご利用者の必要に応じてケアプランに『買い物代行』を追加してもらうことが可能です。

例えば、このようなご利用者がおられました。
80代前半の男性ご利用者は、奥様を15年前に亡くされて以来一人で生活しておられます。
退院後、買い物ができないのでヘルパーさんに買物代行を依頼されました。
しかし体調が思わしくなく、その後、掃除・調理・洗濯・入浴介助も依頼するようになりました。
毎回同じことをヘルパーさんが行うのではなく、ご利用者と相談したり、前回の訪問の記録を参考にするなどしてその日のケア内容を決めていく方法でした。
このように、柔軟にヘルパーさんにサポートしてもらうことも可能です。

要介護度(1~5)によってヘルパーさんを使える金額(○○単位と言います)が変わってきます。

その範囲内で、ケアマネジャーさんの作成される『ケアプラン』に必要な内容を追加してもらうことが必要です。

何か別の必要をお感じになったなら、ケアマネジャーさんと相談してみましょう。

上記の例は買物代行から始まったケースですが、逆バージョンも可能です。

90代になる女性ご利用者はヘルパーさんに週2回掃除を依頼していました。
それまでは、ご自分で徒歩10分ほどのスーパーへ買い物に行っていましたが、足腰がお悪くなりそれも困難になってきました。
そのため、ケアマネジャーさんと相談し、2回のうち1回はヘルパーさんに買い物代行に行ってもらうことにしました。
このように、柔軟にケア内容を変更することもできます。

まとめ

blur close up flower hands

この記事をまとめます。

ヘルパーさんに買い物代行を依頼するメリット
1毎週決まった曜日に定期的に買い物に行ってもらえる
2ヘルパーさんと買い物の内容を相談できるので、無駄なく買い物ができる
3費用を安く抑えることができる
4親御様の安否確認もしてもらえる
5時間の許す範囲で会話ができる

個人的には『4親御様の安否確認もしてもらえる』のは大きなメリットだと感じています。

ヘルパーさんに買物代行を依頼するデメリット
1買う物がなくてもヘルパーさんはやって来る
2買い物内容に制限がある
3お金のやりとりがある
4野菜や果物などは自分の好みの物を選べない

ご参考にしていただけたら幸いです。

最後までお読みくださり誠にありがとうございました。

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