『買い物難民』を防ぐ力強い味方『買い物代行』サービスの活用法

買い物代行

ご訪問いただきましてありがとうございます。

在宅で暮らす高齢者のサポートをさせていただいているサード・ラプソディです。

『買い物難民』という言葉を耳にするようになりました。

訪問介護の仕事を行っていると、『買い物代行』の依頼をよくいただきます。

ご家族と同居されていたり、近くにお住まいであればいろいろサポートできるかもしれませんが、遠方であればそれほど手助けができないかもしれません。

今回の記事では『買い物難民』を避けるために、介護保険を利用する『買い物代行サービス』や、その他ご利用者が活用されている方法についてご紹介したいと思います。

日々、男のヘルパーさんとして高齢者の生活をサポートをさせていただいている介護福祉士の僕がご紹介させていただきます。

この記事は約5分で読めますので、ご一読いただければ幸いです。

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訪問介護の『買い物代行サービス』を活用する

是非、『買い物代行サービス』を活用していただきたいと思います。

ー まだ介護保険を活用しておられない方はこの記事をご覧ください ―
介護保険活用までの10の道のり。認定前でも活用できる裏ワザあります。

買い物が難しい理由には様々なものがあります。

一例を挙げると・・・・・

・運転免許を返納した
・お体の具合が悪い
・近くにお店がない

同居しておられるご家族がいれば協力してくださると思いますが、独居の方は大変です。

是非ケアマネージャーさんに相談し、困っていることを訴えてヘルパーさんを頼みましょう。

では、介護保険の『買い物代行サービス』とはどういうものなのかご紹介したいと思います。

ヘルパーさんが代わりに買い物に行ってくれる

介護認定を受けておられ、『要介護』又は『要支援』認定を受けておられる方は、介護保険サービスのひとつとして利用していただくことができます。

ご利用者の状況や状態によって様々な形でサービスが提供されていきます。

買い物代行だけを利用する場合、基本的には1時間の中でサービスを行っていきます。

流れとしては・・・・・

買い物内容・お預かりする金額の確認
   ⇩
 買い物代行
   ⇩ 
帰宅後、品物の確認・お釣りの確認

となります。

1時間はあっと言う間なので、事前に買ってきてほしい物をメモしておいていただくと助かります。

こんな簡単なメモで十分です。

お気に入りの商品などがありましたら、それも伝えていただけるといいと思います。

「牛乳は○○、食パンは○○」などとメーカーを伝えることもできます。

その方が、お店に行ったヘルパーさんもどれにしたらいいか悩まずに済みます。

よくあるのですが、「何でもいいから牛乳買ってきて」と言われて低脂肪乳を買っていったら「薄くて飲めない」と言われたり、食パンも何でもいいからということで8枚切りを買っていったら「あ~6枚切りがよかったな」ということだったり、お互いにトホホな感じになります。

もしもご希望があればしっかり伝えてください。

買い物内容を確認したら出発します。

僕の場合は、活動するサービス地域が広いので、軽自動車で移動しています。

都市部であれば、ヘルパーさんは自転車で買い物に行くかもしれません。

戻ったのち、品物とお釣りを確認をします。ご利用者が冷蔵庫などに収納されることもありますし、ヘルパーさんにやってもらうこともできます。

もしも時間が余れば、掃除などサービス終了の時間まで行うことになります。

訪問介護サービスを提供している事業所ごとにいろいろなルールがあります。

地域によっても変わってきますが、中には『買い物に行けるのは、最寄りのスーパー1か所のみ』

というルールを定めている事業所もあります。

「あそことあそこのお店で、あれとあれを買ってほしい」

と思っても、難しいかもしれません。

訪問介護事業所としても、様々なルールや事情を考えて、最善と思えるサービスを提供していきます。

普段の生活で使う日用品や、食料品などを買ってきてくれるのは助かると思います。

参考までに、僕の事業所で行っている、ちょっと変わったケースをご紹介します。

70代男性独居T様の例・・・・・

ご病気のため、思うように体が動きません。
お住まいの地域は山間部のため、近所にお店もありません。ご兄弟が代わりに買い物にいっていたのですが、事情がありそれも難しくなってしまいました。
お出かけはバスになります。ご病気のため、たとえ買い物に行けたとしても、荷物を持って戻ってくるのは困難です。
それで、訪問介護のサービスを利用されることになりました。
この方のところには、他の事業所から調理のために週に3回ヘルパーさんが来ています。
他事業所とも協力してのケアになりました。
調理のヘルパーさんがご本人と相談し、買い物内容をメモに書き、それを僕のいる事務所にファックスするという方法ですすめています。

 

どこの事業所でもできることではないかもしれませんが、ご利用者のことをいろいろ考えて、ルールを守りながらサービスを提供していきます。

状況はそれぞれなので、困っていることを率直にケアマネージャーさんに相談してみましょう。ケアマネージャーさんは、介護サービスを提供している事業者と相談して、いい『落としどころ』を見つけてくださいます。

ただし、『無理なものは無理』なので、100%希望通りにはいかないかもしれません。それでも、バスやタクシーなどで買い物に行く労力や費用のことを考えたら、ずっと助かると思います。

ご家族がその都度買い物に行っておられるのであれば、週に1回でも代わりに行ってもらえればずいぶん助かるのではないでしょうか。

ひとつ注意点があります。

なんでも買えるわけではない

この点が、トラブルの原因になることが多々あります。

買ってきてほしい物であっても、『買えない』ことがあるのです。

例えば、『ビール』を買ってきてください。と依頼されてもヘルパーさんは『買えない』のです。

「なんで?スーパーにあるんだから、ついでに買ってきてよ」

と言われても、買えないのです。

なぜでしょうか?

厚生労働省からの通達はこうなっているからです。

訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について(平成12年3月17日老計第10号厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長通知)
2-6 買い物・薬の受け取り
○日常品等の買い物(内容の確認、品物・釣り銭の確認を含む)
○薬の受け取り

平成12年3月17日老計第10号厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長通知

『日常品等の買い物』しかできません。

表現を変えると『生活必需品』ということになります。

残念ながら『ビール』は生活必需品ではないので『買えない』のです。

「でも、生活必需品は人によって違うんじゃないの?俺にとってビールは生活必需品だ!」

と思われるかもしれません。

ですが、介護保険を使っての『買い物代行』ではできないのです。

介護保険サービスは、国のお金を使って行っている事業なので、ぶっちゃけた話、事業所がお金がもらえなくなるので行えないのです。

ちなみに、以下の物も買えないことになっています。

・嗜好品(お酒・たばこ など)
・お供えの品
・家族が利用する物
・雑誌
・贈答品
・家具や家電製品
  などなど

日常生活に支障がないような物を買ってくることはできません。

「まあ、仕方がないか・・・」

ということでご勘弁ください。

ちなみに、ヘルパーさんを頼むと費用はいくらかかるか?もお伝えします。

要介護1~5の方
1週間に1回1時間の買い物代行サービスを利用する費用

ご利用者の負担金額 1ヶ月 に4回利用した場合 

1割負担の方 1,056円 (1回 264円)
2割負担の方 2,112円
3割負担の方 3,168円
もし回数が増えれば・・・  回数×264円 = 負担金額 となります

* お住まいの地域によって若干の違いがあります。

要支援1~2の方
1週間に1回1時間の買い物代行サービスを利用する費用(要支援1~2)

ご利用者の負担金額  1ヶ月 に4回利用した場合

1割負担の方 1,116円 (1回 279円)
2割負担の方 2,232円
3割負担の方 3,348円
もし回数が増えれば・・・  回数×279円 = 負担金額 となります

* お住まいの地域によって若干の違いがあります。

結構安上がりではないでしょうか!

でも、こう思われる方もいらっしゃいます。

「確かに安いかも知れないけど、そんなんじゃ使えないよ!お金のことはいいから、とにかく気持ちよくいろいろ買ってきてよ!」

そうおっしゃる方には・・・・・

『保険外サービス』を利用していただきたいと思います。

保険外サービスを活用する

もしも、依頼している訪問介護事業所が『保険外サービス』を扱っているなら、是非活用していただきたいと思います。

『保険外サービス』は介護保険サービスとは別に、新たに契約します。

保険外サービスなら、相談の上、何でもお願いすることができます。

買い物代行であれば、『ビール』でろうと『ブランデー』でろうと、どんな物でも買ってきてもらうことができます。

買い物代行だけではなく、ほかにも色々なことを行ってもらうことができます。

僕の事業所で依頼が多いのは、『受診の付き添い』です。

病院へ受診に行くのは、高齢の方にとっては大変なことです。時間もかかりますし危険も伴います。

ご家族が付き添っていければいいのですが、なかなか受診の日に合わせるのは難しい時があるものです。

保険外サービスで『受診の付き添い』を頼めば、もしかしたらなじみのヘルパーさんが一緒に行ってくれるかもしれません。

気心の知れたなじみのヘルパーさんと一緒に受診できれば、安心ですし楽しいと思います。

受診は時間が読めないことも多いものです。ヘルパーさんの担当責任者に頼んでおけば、ゆとりをもって時間を取りヘルパーさんを派遣してくれると思います。

是非、『保険外サービス』を活用していただきたいと思います。

ちなみに費用ですが、申し訳ないのですが高いです。

これもぶっちゃけた話ですが、まだあまり需要も多くはなく、訪問介護事業所としても積極的に推進していません。

競争がないので、値段が下がりません。

『人の弱みに付け込んで』いるような『人の足元を見ている』ような気もするのですが、高いです。

多くの事業所が、1時間当たり3千円前後で実施しているようです。4千円を超えるところもあります。

買い物代行であれば、それほどでもないかもしれませんが、受診の付き添いだと、それなりにかかってしまいます。

それでも、親御さんの受診の付き添いのためにご家族が仕事を休んだり、遠方から泊りがけでやって来る時間や労力を考えたら、必要経費と割り切って頼むのも一つの手かもしれません。

買い物に話を戻します。

ほかにも、地域にある『社会福祉協議会』でも生活支援サービスを行っています。

僕の訪問させていただいているご利用者さんも、『移送サービス』や『庭のお手入れ』などを活用されています。

サービス内容や利用料金などは、それぞれ違っていますが、『買い物代行サービス』も実施しているところが多いので、一度尋ねてみると良いと思います。

ほかにも買い物についての役立つ方法があります。

セブンイレブンへ引き取りに行ってもらう

ある独居の方のところへ訪問させていただいていました。

その方のところには、週に2回訪問させていただき、1回は掃除、もう1回は買い物代行を行っていました。

買い物代行も、近所のスーパーへ行っていました。

そのうち、ご本人がセブンイレブンをお気に入りだったこともあり『セブンミール』を活用されることになりました。

残念ながらセブンイレブンからの配達はエリア外だったため、無理でした。代わりに買い物代行の時に、僕がセブンイレブンへ引き取りに行っていました。

前日の午前10:30分までに注文しておけば、翌日に取りに行くことができます。

もしもセブンイレブンがお好きで、セブンミールにご関心がおありでしたら、こちらからご覧になってみてください。

ネットですぐに注文できます。ご家族が親御様のためにプチプレゼント感覚で注文して差し上げるなら喜ばれると思います。



サイトに飛んだら、『サービスのご案内』をクリックしていただければくわしい情報を見ることができます。

ご自宅がサービス実施エリア外の場合届けてもらえません。その場合は登録されたお店をお伝えいただければ、ヘルパーさんが取りに行くことができます。

まとめ

『買い物難民』などという言葉がこれほど聞かれようとは思いもしなかったことと思います。

しかし、現実に困っておられる方は多いです。

高齢の方が重い荷物を持ってお店から帰って来るのも危険が伴います。

ご家族がご自分の時間を割いて買い物に行くのも難しい時があるかもしれません。

介護保険サービスの『買い物代行』を活用することによって、ご本人やご家族も助かる部分がきっとあると思います。

希望通りにならない部分もあるかもしれませんが、それでも生活に必要な品物は買ってきてもらえます。

訪問介護事業所で『保険外サービス』を実施していれば、介護保険でできないことをカバーすることもできます。

ぜひ一度、訪問介護事業所の担当者や、ケアマネージャーさんに相談してみることをおすすめしたいと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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