事業者と一度の契約を結ぶことによって『在宅』『通い』『泊り』の三つのサービスを受ける方法があります。
このようなお悩みを持つ方には役立つサービスではないでしょうか?
今回の記事では、『小規模多機能型居宅介護』というサービスについて介護福祉士である僕がご紹介したいと思います。
この記事は約3分で読めますので、是非お読みいただければ幸いです。
遠距離介護の難しい現実
本当に難しい状況です。親御さんのことを考えると、自分のところに呼んで同居した方がいいのか?それとも、遠くても、時々通って世話をした方がいいのか?考えてしまうところだと思います。
もしも親御さんが認知症を患っておられるなら、しばらく会わないうちにご家族の顔を忘れてしまう、ということもあり得ます。
親御さんのお気持ちもあります。
長年住み慣れた土地であり、知り合いなども多いかもしれません。自宅から離れ、まったく新しい場所で、今とは全然違う家庭環境で生活するというのは心配かもしれません。
より安全に、より活動的に生活していただくためには、どうすればいいでしょうか?
まず最初にできることは・・・・
『親御さんの住む地区の、地域包括支援センターに電話する』
ことです。
もしも、すでにケアマネージャーさんを決めておられるならその方に相談できますが、そうでないなら『地域包括支援センター』に連絡することができます。
地域包括支援センターに電話すると何が分かるのでしょうか?
親御さんの住む地域には、どんな介護保険サービスがあるのかが分かります。
どうすればそのサービスを利用することができるのかなど、親切に教えてくれます。
特に探したいサービスは・・・・
『小規模多機能型居宅介護』です。
この事業を展開している事業者が地域にあると一挙に安心感が増します。
なぜでしょうか?
『小規模多機能型居宅介護』事業所では、一度の契約を結ぶことによって、三つのサービスを受けることができるからです。
・訪問介護(訪問ヘルパー)
・デイサービス
・ショートステイ
の3つです。
一度、運営している事業者と契約すれば、必要に応じて上記の3つのサービスを組み合わせて利用することができます。
この3つのサービスによって・・・・・
・訪問介護(訪問ヘルパー)によって生活面のサポートを受けられる
・デイサービスに通うことによって様々な活動を行い、いろいろな人たちと関わることができる。入浴もできる。
・一時的にショートステイ(お泊まり)を利用できる
例えばこのような時に便利です。
・ヘルパーさんを頼んでいるが、より活動的に過ごすためデイサービスも利用したい
・久しぶりに実家の大掃除をしたいので、その間、親にはショートステイに泊まっていてもらう
などなど
『小規模多機能型居宅介護』事業所でないなら、『訪問介護』『デイサービス』『ショートステイ』それぞれの事業者と別々の契約を結ばなければなりません。
遠方であれば、それほど頻繁に親元に帰って契約の場に同席することは難しいかもしれません。かといって、契約など親に全部任せるのも心配です。
でも、『小規模多機能型居宅介護』であれば、一度の契約で済みます。
契約が結ばれた後は、専門のケアマネージャーさんが親御さんの必要に応じて、プランを組んでくれます。
『小規模多機能型居宅介護』のメリット
・一度事業者と契約をすれば、『在宅(訪問介護)』『通所(デイサービス)』『泊り(ショートステイ)』の三つを一体的に利用できる。
・親御さんの生活面をしっかり見てくれるので、何か変化があった時に素早く情報をいただける。
『小規模多機能型居宅介護』のデメリット
・すでに何らかの介護保険サービスを利用しておられるなら、切り替えなければならない。
・ケアマネージャーさんも『小規模多機能型居宅介護』のケアマネージャーさんに交代となる。
・展開している事業者が少ない
ちなみに、これが最大のデメリットです。
結びに
もしもケアマネージャーさんを決めておられるならケアマネージャーさんに相談することができます。
もし、まだ介護認定を受けておられなければ、先方の『地域包括支援センター』に尋ねてみましょう。
もしかしたら、親御さんの住んでおられる地域には『小規模多機能型居宅介護』を展開している事業者ないかもしれません。その場合は、少し手間はかかりますが、訪問介護事業所など各事業者と契約を結んでサービスを活用することになります。
場合によっては施設も検討しなければならないかもしれません。
僕が訪問させていただいているある女性のご利用者、現在サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)にお住まいでいらっしゃいます。
この方は、自宅で転倒され大腿骨を骨折してしまいました。
救急搬送され、そのまま入院となってしまいました。
息子さんがおられますが、車で3時間ぐらいかかる距離のところに住んでおられます。
退院後は、自宅に戻っての生活は難しく、かといって息子さんのところに同居することもできませんでした。
リハビリのため、介護老人保健施設(老健)へ転院され、その後もう一度別の病院への入院生活を経て、今おられるサービス付き高齢者向け住宅に引っ越してこられました。
このように、急に入院になり、退院になっても家には帰れる状態ではなく、急いで施設を探さなければならない、というケースが多くあります。
是非、早めに地元の施設を複数探しておくことをおすすめしたいと思います。
ずっと暮らしてこられた土地から離れるのは、お気持ちの負担が大きい場合が多いです。
ご紹介した女性も、苦労して一軒の家を構えずっと住んでおられたのに、急に家から離れなければならなくなり、辛いお気持ちを話しておられました。
まずは地元で探してみることをおすすめします。
施設を探すのは時間も手間もかかります。
インターネットなどで自宅の近くを検索して探すかもしれません。
でも、空きがないことも多いです。そうすると、だんだん距離を伸ばして探すことになります。なかなか手頃な施設が見つからないと「困ったな」ということになります。
労力や時間は、親御様のお世話に使いたいところです。
まずはプロに『相談』から始めてみましょう。
全国を網羅した、30万件以上の施設からピッタリなホームを探せるサイトがありますので、是非ご参考にしてみてください。
できれば、どんなところなのか一度見学に行ってみると良いと思います。
様々な情報を得ておくのは、今後のことを考えるうえで大事なことだと思います。
情報収集も親御さんへの貴重なサポートのひとつです!
最後までお読みくださりありがとうございました。
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