独居の親御さんを持つ方向け。服薬や管理に役立つ3つの方法

身体・生活組み合わせ例

介護福祉士のサード・ラプソディです。

訪問ヘルパーとして高齢者のお宅にお伺いし、介護サービスを提供させていただいております。

これまで、約4000回程の訪問を重ね、様々な経験をさせていただきました。

今回は、ご利用者の『服薬』にフォーカスし、実際に経験した状況などと合わせて役立つ方法をご紹介したいと思います。

この点でご家族の方が苦労されることも多いのが現実です。

服薬がいまくいかず、お体の調子が悪くなってしまう方もいらっしゃいます。

この記事は約5分で読めますので、ぜひご一読いただけき、ご参考にしていただければ幸いです。

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① 服薬についての難しい状況

どのような難しい状況があるでしょうか?

もしかしたら、以下のようなことがあるかもしれません。

・時間通りに飲めない
・気分次第で飲んだり飲まなかったりしてしまう
・失くしてしまう
・飲んだことを忘れ、飲み過ぎる
・ちゃんと飲むように伝えると、かえって意固地になり飲まなくなってしまう
・失くさないように自分で隠してしまい、見つけられなくなる
・飲み忘れた古い薬を大事にとっておき、どれがどれだか分からなくなる
・そもそも服薬を大事なことだとは思っていない

などなど、いろいろな状況があります。

認知症が関係するとさらに難しくなってきます。

認知症の方の場合、僕が経験した状況としては、上記に加え、

・受け取った薬をそのまま全部捨ててしまった
・1日3回飲む薬を一度に全部飲んでしまった
・薬を飲むということが理解できない

などがありました。

こういうことが毎回、毎日のように続くと本当に困ってしまいますし、お体に差しさわりがあると思います。

服薬の介助をしていてまず思うのは、『お薬は一包化してほしい』ということです。

複数の薬を飲み分けるのは本当に困難です。

是非、主治医の先生に状況を伝え、お薬を『一包化』していただきましょう。薬局で受け取るまでに少し時間がかかったり、費用も少し増えますが、正しい服薬を続ける困難さを考えたら大したことはありません。

『朝食後』『昼食後』『寝る前』などと印字してくれます。お名前と日付を印字してくれることもあります。

そうすれば、「これは『朝』で、こっちは『寝る前』。あれ?どっちだったっけな?」

などと混乱することも少なくなり、管理が楽です。

② 飲み忘れてしまう

これは本当に多いです。

どうすればいいのでしょうか?

まずは、『今の状況を知る』ことが大事です。

親御さんと同居しておられるなら話は早いのですが、そうでないなら、時間を取って親御さんのところへ行き、服薬や薬の管理を手伝わなければならいでしょう。(ご自分でしっかり管理される方ももちろんおられます。)

介護者がお仕事などをされているなら、それほど足繫く通うことはできないでしょう。まして、服薬の時間はいろいろです。その時間に合わせて訪問することは至難の業です。

ある90代のご利用者のところに服薬介助のために訪問しています。息子様と二人暮らしです。息子様は日中お仕事に行かれるのでお世話ができません。
この方の服薬のタイミングは、『朝食後』『午前中の食間』『午後の食間』『夕食後』です。
本当に難しいです。特に、毎日の朝10時頃と午後3時頃の服薬が困難でした。
以前はご自分で服薬しておられたのですが、認知症が進んでしまい、困難になってしまいました。
薬を飲んだことを忘れてしまい、次から次へと飲んでしまったのです。
お体の状態が悪くなり、入院になってしまいました。
退院後、デイサービスと訪問介護のサービスを利用されることになりました。
デイサービスへ行かれる日は、薬を持参すれば施設で飲ませてくれます。
僕たちヘルパーは服薬介助のために、デイサービス以外の日は、朝10時と午後3時にそれぞれ15分の訪問をさせていただいています。(介護保険サービスには最短で15分というサービスがあります。くわしくはケアマネージャーさんに尋ねてみてください)
夕食後の服薬の介助もあるので、一日に3回ヘルパーさんが訪問することになります。

この方は介護保険サービスを利用しておられるので、なんとかなっていますが、もしもこれを、お仕事を持っておられたり、小さなお子さんがおられるご家族がなさろうとするならどうでしょうか?

とても難しいと思います。

今後、どのように対応していくかは考えなければなりませんが、まずは親御様の服薬と薬の管理がどうなっているのかを知らなければなりません。

では、どうすれば『今の状況を知る』ことができるのでしょうか?

そして、どのようにして、離れていても親御様の状況を知り、服薬できるようにサポートできるのでしょうか?

服薬や管理に役立つ3つの方法を取り上げます。

③ 方法その1 室内見守りカメラの活用

これは使えます。

スマホさえあれば室内の様子をいつでも確認することができます。

朝の服薬のご様子はいかがでしょうか?

親御様はなぜ服薬が難しいのでしょうか?

単に忘れてしまっているのでしょうか?それとも、なにか忙しくされていますか?

もしかしたらテレビに夢中になってしまっているのかもしれません。

ご様子を確認しつつ、必要なタイミングで電話をかけてみることができます。

でも、気を付けないといけません。「お薬ちゃんと飲んだの!」などと高圧的にお話しされると、かえって意固地にさせてしまい、服薬されなくなってしまうかもしれません。

「そろそろお薬の時間だけど、もう終わったかな?」

「いつもちゃんと飲めてるから大丈夫だと思うけど、お薬済んだ?」

などとさりげなく注意を促してみましょう。

このカメラを活用することによって、まずは『なぜ服薬がうまくいかないのか?』を知ることができます。

そして、いいタイミングで声をかけることができます。

④ 方法その2 お薬カレンダーの活用

多くの方が活用されているのが『お薬カレンダー』です。

いろいろなタイプの物があります。

ご利用者のお宅でもいろいろなタイプの物をお見かけします。

これは1日に4回分のタイプです。

訪問ヘルパーとしてお勧めしたいのは、こういうタイプのものです。

このお薬カレンダーには『食間』の欄があります。

『大は小を兼ねる』です。

なるべく多くのスペースがある方が良いです。なぜなら、お薬は増えることがあります。もしもスペースが足りなくなるなら、より複雑な入れ方を考えなければならなくなります。ここから取り出し、正確に飲むのもより難しくなってしまいます。

分かりやすいところに取り付けることができますが、すぐにお部屋の『景色』の一部になってしまいます。

是非、服薬の時間になったらお電話してみてください。

もしもまだお済でなければ、しっかり服薬されるまで、室内見守りカメラで確認することができます。

ただし、注意点もあります。

勝手にやらないことです。

よくあるのですが、ご家族は良かれと思ってお薬カレンダーを取り付けるのですが、ご本人は、「こんなもの持ってきて!」と最初から迷惑に感じておられる場合があります。

その背後には、

「こんなものなくても自分でできるのに」

「そんなに老いぼれちゃいないのにバカにするな」

「一人で頑張って暮らしてるのに、勝手なことするな」

などのお気持ちがあります。

どうすればいいのでしょうか?

『感謝しましょう』

親御様が一人で頑張っておられるおかげで、いろいろ助かっていることをお伝えし、感謝しましょう。

そして、なるべく楽しい気分になっていただき、その流れで、お体のことを心配していること、頑張ってくれていることに感謝していることをお伝えしましょう

そうすれば、「しょうがないな、せっかく持ってきてくれたんだからしばらくやってみるか」といったお気持ちになられると思います。

でも「お薬カレンダーでもうまく服薬できなかったらどうすればいいの?」

と思われるかもしれません。

ごもっともです。

⑤ 方法その3 訪問ヘルパーの活用

是非、僕たち訪問ヘルパーを活用していただきたいです。

先ほど述べさせていただいた通り、必要であるなら、わずか『15分』の服薬介助の訪問をさせていただくことができますし、他のサービスを組み合わせることもできます。

例えば、1時間のヘルパーの訪問にして、『服薬介助と夕食の準備をご一緒に行う』内容にするとか、『お掃除や買い物代行と服薬介助』を組み合わせておられる方もいらっしゃいます。

先ほどご紹介させていただいた方は、夕方6時から30分間の訪問を受けておられました。

簡単な夕食の準備をし、召し上がっていただきます。

その後、ご一緒に後片付けを行い、それから服薬をしていただきます。

水分補給なども含めて、確実に服薬を行っていただくことができます。

このように、親御様の必要に合わせて、様々な形でヘルパーの訪問を依頼することができます。

介護度にもよりますが、1日に複数回ヘルパーの訪問を受けることもできます。

ケアマネージャーさんに相談してみましょう。

ちなみに、もしも介護認定を受けておられなければ、以下の記事を参考にしてみてください。

合わせて読みたい

 

ヘルパーさんを頼むのに、費用はどれくらいかかるのかが気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。

『要介護』と『要支援』それぞれの費用を分けてご紹介しています。

合わせて読みたい
 

まとめとして

親御様の生活やお体のことを考えられ、ご家族が自分の時間や労力や経費なども費やして介護に取り組んでおられることに敬意を表します。

かくいう我が家も、皆さまと同じような経験をしてきました。人工透析を受けていた義母。パーキンソン病、脳梗塞後、半身マヒとなってしまった義父の介護に取り組んできました。

まだまだ手のかかる幼い子供たちもおり、

『自分達の人生を送れないじゃないか!』

と思ってしまったこともありました。

介護する皆様のお体やメンタルが健全でなければ、とても続けていけません。お子様がおられるなら、お子様の成長を優先しなければならないと思います。

そのバランスの難しさも感じていました。

でも、今回ご紹介したアイテムを活用したり、訪問ヘルパーさんを頼むことによって想像以上に介護を『楽』に行っていくことができます。

できるだけ笑顔で親御様に接したいと思われるのではないでしょうか?

是非、ご参考にしていただきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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