ご訪問いただきありがとうございます。
介護福祉士として訪問ヘルパーのお仕事に携わっているサード・ラプソディです。
いきなり、ポータブルトイレの絵が出てきて失礼しました。
でも、排泄は本当に大事なことなので、どうぞ許してください。
訪問介護サービスには様々なケースがあります。
この記事では『身体介護、30分のサービスの例』を一つご紹介したいと思います。
ほぼ全介助が必要であり、ベッドで過ごされる時間が長い方へのサービスです。
ご参考にしていただければ幸いです。
お困り内容:ポータブルトイレへの移乗ができない。
解決方法:訪問ヘルパーを依頼する。
サービス内容:ポータブルトイレへの移乗、陰部洗浄、ベッドへの移乗、全身の清拭、着替え。
訪問時間:30分(身体1)8:30~9:00
訪問時の様子
昔ながらの本格的な日本家屋にお住まいです。
縁側から寝室に入ると、介護用ベッドに横たわっておられます。
『イタリア人俳優』のような端正な顔がこちらに向くと、「おはよう、今日もありがとう」とおっしゃってくださいます。
「今日もよろしくお願いします」とご挨拶します。
大工の棟梁だったためか、ご挨拶はしっかりとされています。
準備
ポータブルトイレを寝室に運び、ビニールシートを床に広げます。
奥さんがT-fal(ティファール)にお湯を用意しておいてくださいます。やや熱めのお湯をバケツに作ります。(冷めてしまうため)タオルも用意します。
オムツやパッドもセットしておきます。
陰部洗浄の道具なども用意します。陰部洗浄には、ペットボトルのキャップの頭に穴をあけた物を奥さんが用意してくれています。
ただし、ポータブルトイレに座った状態なので、お尻の方はうまく流せません。
ケア開始
ご本人は、ほとんどお体を動かすことができません。
ベッドの背中をリモコンで持ち上げます。
それでも、「○○さん、今からこっちのおトイレに移動しますからね、足を動かしてくださいね」と声掛けすると、「う~ん」とうなりながら足を動かそうとされます。
協力しようという姿勢をいつも見せてくださり、本当に立派な方だと思います。
抱えるようにして座位をとります。座位を保持できず手は離せないので、背中を支えつつ抱えるようにしてポータブルトイレに移乗していただきます。立ち上がった状態の時にズボンとオムツを下げます。(オムツのテープは事前にはがしておきます)
ガンで膨らんでしまったお腹をさすりながら排便を待ちます。
排便はあったりなかったりですが、少しでも体を動かすことができるので、貴重な機会となっているようです。
排便があってもなくても、陰部洗浄を行います。
腰の方から、ペットボトルでお湯をかけ、なるべくお尻を流すようにします。
キレイに拭きます。
座ったまま、新しいオムツを付けますが、きちんとはできないので、仮に付けます。立ち上がった状態で、ズボンも上げます。(ここはちょっと大変です)
一度、ベッドに座っていただきます。背中を支えながらゆっくりと足を持ち上げ、ベッドに横たえます。
オムツをしっかりと装着します。そして、全身の清拭や着替えなどを済ませます。
何度も向こうへ向いてもらったり、こちらを向いてもらったりしますが、いつも快く協力してくださいます。
すべてが終わると、必ず「ありがとう」と言ってくださいます。
30分しか時間がないので、ゆとりはありません。ケア中、時々ご本人から「ありがとう」とのお言葉をかけていただくと、僕の必死な形相は自然と緩みます。
後片付けを終え、訪問の記録を書いていると、奥さんが朝食を持ってきてくれます。
「今日の朝ご飯は何でしょうね?」とご本人に尋ねると、「いつもくんねーんだよ」と言われます。
「何言ってんの、いつもだれに食べさせてもらってると思ってんの!」と奥さんが笑顔で答えます。
「ではこれで失礼します」とご挨拶をすると、「どうもありがとう」と応じてくださいます。
ご本人の状態や介護される方の状況もそれぞれです。
ケアマネージャーさんに相談し、ぜひ訪問介護サービスを活用していただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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