ご訪問くださり誠にありがとうございます。
親御様がデイサービスへ行く際にこのようなお悩みはありませんか?
『家族は仕事があるため、親のための朝の支度や送り出しができない』
ヘルパーに訪問してもらえば、出発前の『整容』のサポートや、デイサービスに持っていく物の準備、送迎車への『送り出し』のサポートを依頼することができます。
しかし、トラブルになることもあります。
この記事では特に『送り出し』でよくあるトラブルとヘルパーの対応について取り上げます。
デイサービスへの『送り出し』とはどのようなサービスか?
ヘルパーが行う『送り出し』とは、ご利用者が安全に、時間通りに出発できるようサポートするサービスです。
多くのケースでは30分の訪問です。
15分の訪問のとなることもあります。
すべてのご利用者に『送り出し』サービスが必要なわけではありません。
ご自分で持ち物の準備や出発の準備を整え、出かける方の方が多いです。
例えば、このような方にとってヘルパーの『送り出し』は便利なサービスです。
『足腰などを痛めていて、立ち上がりや歩行にサポートが必要な方』
『朝、起床時間がばらばらな方』
『認知症の方』
『持ち物を準備するのが難しい方』
一例ですが、このような方にはヘルパーの『送り出し』サポートはお役に立ちます。
デイサービスへの『送り出し』でよくあるトラブルとは?
ご利用者が「今日は行かない」と言われてしまうのが1番多いトラブルの原因です。
ヘルパーは『送り出し』のために訪問するものの、ご利用者はデイサービスへ行くことを拒否されてしまうのです。
その理由はいろいろです。
「体の調子が悪い」
「行ってもつまらない」
「食事がおいしくない」
「人と会いたくない」
など様々です。
ご家族は、親御様がデイサービスをお休みすると困ることがいろいろあると思います。
例えば・・・
『家の中で転んだりしないだろうか』
『家で食事はきちんと摂ってくれるか』
『水分補給は大丈夫か』
『お風呂に入れない』
『自分では薬が飲めない』
『体をあまり動かさない』
『他の方との交友がない』
などです。
しかし、ご利用者が一度「今日は行かない」とおっしゃった言葉を引っ込めて、一から支度を始めるのはなかなか困難です。
ヘルパーも何とかデイサービスへ行ってくださるよう、声掛けをします。
『送り出し』でのトラブルにヘルパーはどのように対応するか?
ヘルパーは、ご利用者が『今日はデイに行かない』と言われてもあきらめません。
デイサービスに行っていただけるよう、いろいろとお声掛けさせていただきます。
声掛けの内容としては・・・
・デイサービスへ行くことによって入浴サービスや栄養のある食事提供を受けられること
・体操など無理のない運動ができること
・レクリエーション活動に参加できること
・看護師さんも常駐しているので、お体のことを相談できること
・他の利用者さんたちと交友を楽しめること
・家に一人でおられるとご家族が心配される
こうしたことをお伝えします。
(事前にサービス提供責任者とご家族で話し合う機会を設けます。親御様に言わない方がいいことがあればその際教えてください)
ヘルパーの声掛けに応じてデイサービスに行くことにするご利用者もおられますし、頑なに拒否し続ける方もいらっしゃいます。
送迎車の来る時間となっても「今日はデイには行かない」と拒み続ける場合もあります。
運転手さんは複数の利用者さんをお迎えに行くので、時間がありません。
お願いすると、ヘルパーと一緒になって声掛けしてくれることもあります。
どうしても行くことを拒否される場合は、ヘルパーも促すことを断念せざるを得ません。
ご利用者との間に起こったトラブル内容をサービス提供責任者に連絡します。
サービス提供責任者からご家族に、親御様がデイサービスへ行くことを拒否したことをお伝えします。
ご利用者が『送り出し』を拒否し続けるとどうなるか?
ご利用者やご家族の状況はそれぞれ異なるので、ひとまとめに述べることはできません。
ヘルパーが訪問してもご利用者がデイサービスへ行くことを拒否し続けるならヘルパー派遣は必要なのかが問題になってきます。
ヘルパーは常に不足しているので、他のご利用者のために派遣した方が良いと、訪問介護事業所として判断するかもしれません。
最悪の場合、ヘルパー派遣を断られることもあり得ます。
そうなる前にご家族は、親御様がデイサービスへ行くことを拒否される理由をはっきりと把握しておかれる必要があります。
どのように拒否する理由を把握することができるか?
親御様がデイサービスへ行くことを拒否されるのには、何か理由があるはずです。
その理由が分かれば、対策を取ることができるかもしれません。
しかし、ご家族が直接親御様に尋ねてもなかなか本当のことを話してくれないかもしれません。
それで、拒否される理由を探る方法として3つご紹介させていただきたいと思います。
1デイサービスの『連絡帳』をチェックする
デイサービスに通所すると、必ず『連絡帳』が用意されます。
そこには、その日の親御様のご様子や食事のメニューや食事量、入浴の有無などが記入されています。
この『連絡帳』を通してスタッフからの情報を得ることができます。
2デイサービスの『相談員』さんに尋ねてみる
デイサービスには介護の資格を保有する『相談員』さんが必ずいます。
その方に相談することができます。
毎回、連絡帳にある程度の情報は記載されているものの、細かいことまでは書かれていません。
なので、デイサービスに電話して、相談員さんに親御様の拒否のことを伝え、何か心当たりはないか尋ねてみましょう。
相談員さんは、ご自分が把握していることや、他のスタッフから聞き取ったことを教えてくれます。
3ご家族がデイサービスに行ってみる
おすすめなのは、ご家族がデイサービスを訪問してみることです。
ご家族の目で実際に親御様のご様子を見ることができます。
また、スタッフの方に親御様のことを尋ねてみることもできます。
ちなみに、我が家も、義父が通っていたデイサービスを訪問したことがありました。
元々社交的な義父でしたが、その甲斐あってか他のご利用者さん達と楽しそうにしていました。
スタッフの方に義父の様子を尋ねてみたところ「○○さんは歌が上手なので、よく歌ってくれます」と言われました。
ちょっとしたことですが、家族として安心した覚えがあります。
こうした生の情報を得られるので、デイサービスを訪問するのは大事です。
デイサービスへのヘルパー送り出しの実際の例
92歳 男性 要介護2
変形性膝関節症のため膝が変形し立ち上がりや歩行に困難な時がある、腰にも痛みがある
耳が遠いものの、認知機能は問題なし
家では入浴せず。デイサービスで入浴してほしいが拒否状態
息子様と孫息子様との3人でお住まい。お仕事のため朝早く出かけるためデイサービスへの送り出し不可
デイサービスへは週に4回通所
度々デイサービスへ行くことを拒否される
・ヘルパー訪問サービス内容(30分の訪問、サービス提供票には『身体1』と記載)
尿器片付け
着替え準備
デイサービスへの送り出し
・ご家族との事前の打ち合わせ
鍵が開いていない時のための鍵の隠し場所
ある日のヘルパー訪問の流れ
朝8時15分ヘルパー訪問。
ご家族はお仕事へ行き不在、玄関の鍵は開いていない。
縁側ガラスをノックするとご利用者が開けてくださる。
(開けてくれない時のためにあらかじめご家族と相談し鍵を某所に隠してある)
ご挨拶と体調確認後、デイサービスへ行く日であることをお伝えする。
ご利用者は曇った表情で「今日はデイへ行く日か」や「昨日も行ったんだけどな」などやや不穏な発言があるが、ヘルパーはその発言を一旦スルーする。
ご利用者はテレビを見ているので、そのすきにデイサービスの持ち物準備と尿器片付け。
(尿器片付けはご家族から依頼、ご本人は「やらないでくれ」と言われるのでわからないように処理する)
(デイサービスへの持ち物が見つかると「持って行かない」と言われるので、あらかじめ外の目につかない所に出しておく、こっそり運転手さんに手渡す)
再度「今日はデイサービスへ行く日ですね。もう少しでお迎えの車が来ますよ」と声掛けする。
ご利用者は「今日は行かない」と言われる。
「そうですか」と柔らかく受け止め「どうかされましたか?」と尋ねる。
ご利用者は「足と腰が痛いから」と言われる。
「それはお辛いですね」とお伝えしたのち「デイサービスには看護師さんもおられるので、診てもらえますよ」とお話する。
ご利用者は「痛くて動けないから今日は行かない」と言われる。
その後も一貫して「とにかく今日は行かない!」と強い調子で言われる。
最後にはヘルパーに対し「そういう訳だから帰ってくれ!」とおっしゃる。
送迎車が到着し、運転手さんも一緒にデイサービスへ行くよう声掛けするが決心は変わらず。
他の利用者さんが送迎車に乗っておりいつまでも待たせることはできないため、運転手さんもヘルパーもお誘いを断念する。
ヘルパーはこのトラブルについて電話でサービス提供責任者に報告する。
毎回ではありませんが、このようなトラブルが発生することがありました。
その日によっていろいろです。
最初うちは「行かない」と言われるものの、お話しているうちに「じゃあ行くか」と言われることもあります。
誰でも気分が乗らない日や、体の調子がいつもの違う時があるので、仕方がない日もあります。
まとめ
高齢の親御様と同居されるご家族は、親御様がデイサービスへ行かれる際に『送り出し』ができない場合もあります。
ヘルパーを依頼することによって、デイサービスの準備や安全のうちに出発できるように『送り出し』のサービスをお願いすることができます。
ほとんどのご利用者はデイサービスへ行くことを楽しみにされています。
ヘルパーとトラブルになることはほとんどありません。
しかし、様々な事情によりご利用者が拒否されることもあります。
ヘルパーは最善を尽くしますが、デイサービスへ行くことを強制することはできないので限界があります。
拒否があった際には、その理由を探るようにしたいと思います。
・デイサービスの連絡帳をチェック
・デイサービスの相談員さんに心当たりを尋ねる
・デイサービスを見学に行く
こうした方法によってその原因がわかるかもしれません。
ご家族、デイサービス、ヘルパーが『チーム』としてお互いに力を出し合い協力して高齢のご利用者をサポートしていくことが大事だと思います。
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